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13億の面子

あくまでネットでの報道をみる限り、中国の反日デモも一段落したようだ。今までどおり官製デモの可能性は高いが、今回はネットや携帯電話での呼びかけに呼応するかたちで人々が集まったという点が特徴的だ。いかに当局が大量の専門員を使って反政府情報削除などの規制を続けようと、それにも限界があるということだ。

日本では大学院を出ても就職できない高学歴ワーキングプアが問題になっているが、中国でも同様の現象があり彼らは「蟻族」と呼ばれている。蟻族は大学を卒業したものの就職口がなく、都市のはずれに固まって暮らしている。多くは一軒家を何人かで借りるというシェアハウスをしており、集団で暮らし集団で働き先(殆どが肉体労働)に向かう。「蟻族」と呼ばれるのはこの所以だ。

近年中国では私立大学が多く設立され、1999年には大学の定員が45万人も増員された。その結果、高学歴である大学生も増えたが、かつてのように国が就職先を分配してくれる時代ではない。入り口が広がっても出口の先の受け皿が増えていないわけで、大学を出たところで何処にも行き場のない学生が大量に生産されることになる。

2007年には大学・短大等の進学率が50%を越えて過去最高となった日本と違い、人口13億と巨大な分母を持つ中国の大学生はまさに超エリートと言って過言ではない。江沢民時代に愛国教育を受け、大学に進学してエリートとなったものの、故郷に錦を飾る段階で就職の道を閉ざされた彼らが、今回の反日デモに乗じて政府への不満を叫んだことは想像に難くない。そしてその根底にあるものは「おれたち大学生の面子(メンツ)をどうしてくれる!」というものだろう。

13億の民には13億の面子がある。学生には学生の、農民工(出稼ぎ労働者)には農民工の、富裕層には富裕層の、官僚には官僚の、そして中国共産党には中国共産党の面子がある。13億の自己主張をうまく緩衝しなければならないわけで、これからも中国の動向には細心の注意を払う必要がある。

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