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大宮のらくだ

志らく・談笑二人会を聞きに大宮へ出かけた。小雨の降る旧中山道…1日中山道じゃない(笑)…を歩いて会場の大宮市民会館まで行く。

前座は立川志らくの弟子のらく兵で『子ほめ』、前座らしいきびきびした所作に好感が持てた、ってそれだけじゃダメなんだけどね。

まずは立川談笑が登場し『がまの油』を演じた。落ち着いたトーンで大らかな印象を与える。刀で腕を切る場面で袖をまくると赤いテープが…血の跡です…小ネタで笑わせる憎いヤツ(笑)がまの油売りの口上をスペイン語で演じて笑いを取るが、見事なモノだ。スペイン語だと大道芸人が尚更インチキ臭くなるのはなぜだろう。

一旦舞台を降りてからすぐに高座に戻り続いて演じたのが『片棒』。この噺は稀代のケチ、赤西屋ケチ兵衛の葬式をどのように執り行うか、という設定で三人の息子が父親の前でプレゼンをする。その三人の息子のキャラクターとプレゼンの内容を如何に面白可笑しく演じるか、というところに妙味があるのだが、談笑はオカマの長男、特撮オタクの次男、ユダヤ商人の血を引く三男という、奇天烈な演出で爆発。

熱心な、というかマニアックな談笑ファンが爆笑するなか、「今日は落語を楽しもう」という素直な気持ちで来たであろう善良なお客さんは呆気に取られていたはずだ。そりゃそうだ、きっと落語といえば古典落語、あるいは『笑点』という方々であろう。後で志らくがマクラで話したように、主催者が何かトチ狂ってこの二人を呼んだのだろう。

後半は志らくが登場して『子別れ』を演じた。志らくは立川談志の弟子のなかでも天才肌として知られる。しかし「談志の狂気を受け継ぐ」と自分で言う割にはあまりそういう印象は受けない。志らくはそのつもりなのかもしれないが…古典を演じる志らくはいつも古今亭志ん朝の雰囲気を感じさせてくれるのだ。

『子別れ』という噺は実はあまり好きではない。もともと「泣かせる」噺があまり好きではないのだが、私が聞いてきた『子別れ』はいつもクサくてひたすら泣かせよう泣かせようとする演出が殆ど。しかし今日聞いた志らくの『子別れ』はあまりクサくなく、それでいてしっとりと親子の情愛、夫婦の絆を感じさせてくれた。この親子の話に同情して泣く八百屋の存在が妙に可笑しい。後半のうなぎ屋でまた登場したときには笑った。秀逸なバイプレイヤー(笑)

やはり高齢のお客様は志らくの人情噺に感動したらしく、終演後、「最後の人はよかったわねえ、二人目の人(談笑)はなんだか声がよくなかったわ」と家路に着く老夫婦がいた。しかし志らくはマクラで、かつて楽太郎時代の現・三遊亭円楽がこのホールで『らくだ』を演じ、次に来たときには『目薬』を演じたというエピソードを披露。

「楽太郎師匠が演じた『らくだ』というのは落語の中の落語というべき噺ですが、次に来た時には『目薬』…これはエロ小咄ですよ。大宮で『らくだ』は無理だと思ったのでしょうか」と、さらりと皮肉を込めて語ったのだが、どれだけ大宮市民、いやさいたま市大宮区民のお客様に通じたのであろうか。いやきっと皮肉ではなかったのかもしれないが(苦笑)

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