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蟹田から三厩へ

蟹田に着いた頃から降りだした雨はやがて小雨に変わり、津軽の赤鬼もまた三厩へ向けて走り出した。しかし津軽半島の先端へ向けて走っているというのに、この車窓の風景はどうしたことであろう。まるで山に分け入っていくような風景が続く。

こんもりとした山の斜面に青森産ヒバの林が続いており、雪に覆われた白の中に黒々とした山肌と木々が映えている。携行している青森県地図を取り出して眺めてみると、津軽半島の西側は、五所川原をほぼ中心にして平野が広がっており、平野の北端の十三湖の北側は山の麓に位置している。津軽半島の東側は、蟹田の辺までが緩やかな平地になっている以外は、竜飛崎まで山が続いているのである。海に近づいているのに周りはどう見ても山の中、という風景は、大船渡線で気仙沼に出る直前までがそうだった。日本の地理って面白い。
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中小国を過ぎ津軽二股に着いた。ここでは車窓からすぐ隣の津軽今別の駅を眺めることができる。
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これは何故かというと、津軽線と海峡線が此処で交差するからだ。海峡線はJR北海道に所属するため、津軽今別駅は本州にあるJR北海道の駅ということになる。ちなみに海峡線は青森県の中小国駅から北海道の木古内駅までを言い、そのためさきほど通過してきた中小国はJR東日本とJR北海道の境界駅に当たる。
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津軽二股を過ぎる頃から雨があがり太陽が顔を出してきた。すると進行方向右手に大きな虹が姿を現してきたのだ。おお、こんな北の果てで虹が見られるとは・・・しかもかなり大きな虹である。
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束の間の晴れ間に架かった大きな虹をぼんやりと眺めているうちに、列車は静かに三厩のプラットホームに滑り込んだ。もうここから先へ向かう線路は無い。終着駅である。下北半島の大湊駅も終着駅なのだが、三厩駅周辺は大湊駅周辺のような賑わいも無い静かな終着駅だ。
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折り返しの上り列車を待つ間、車掌さんと立ち話。

「天気良がったらこごがら北海道見えますよ、んだども今日は曇ってるハんで見えませんね、イルカが泳いでるこどもあります。運が良がったらマグロがぴょんぴょん跳ねで…そりゃ嘘だけンどね」

イルカも北海道も見える三厩の駅は、雪に埋もれた静かな駅だった。今度は夏に訪れたいな。
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再び蟹田まで行き、青森行き列車に乗り換える。夕方は青森市内の書店を見て歩く。青森市の書店といえば成田本店だ。大きすぎることもなく小さすぎることもなく、それでいて過不足ない品揃えの書店。そりゃジュンク堂とか紀伊國屋書店とか、大型店舗をいつまでもウロウロしているのも楽しいが、こういうサイズの書店ってなかなか見あたらなくなったような気がする。

地方都市の老舗書店へ行く楽しみは、その土地ならではの地方出版物が手に入ることと、売れ残っても返品されずに置いてある文庫本である。何も旅先で荷物になる本など買わなくてもいいのだが、これはもう病気なのでしかたがないことである。成田本店の地方出版物コーナーはなかなかの充実ぶりで楽しい。津軽は太宰治、寺山修司、葛西善蔵など個性的な作家を多く生んでいる。成田本店、良い書店だった。

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