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志の輔らくご

友人に誘われて『志の輔らくごinパルコ2010』に行った。

劇場ロビーには開演を待つ老若男女で大賑わい、立川志の輔の幅広い人気の賜物である。落語の公演がこれほどの賑わいを見せるまでにした志の輔の努力と才能は凄い。パルコ劇場はほどよい大きさの箱で、後方の席だったのだが志の輔の表情も所作もよく見える。

最初は、ふるさと富山で見かけた造りかけの高速道路をマクラに振って、村長と建設会社社長、県会議員が公共事業と予算に一喜一憂する『身代わりポン太』。予算が凍結され、このままでは造りかけで放置される巨大な信楽焼の狸の運命や如何に! ここで登場するお婆ちゃんのトンデモナイ迷案に一縷の望みを託し、村長と建設会社社長は一発大逆転の奇策に打って出た。日本のいたるところできっとこういうことってあるんだろうなあ…と思わせる噺。

お次は名作『踊るファックス』、間違い電話ならぬ間違いファックスが巻き起こす珍騒動が爆笑を呼ぶ。間違いファックスに敢然と立ち向かう薬局の主人、おろおろし乍ら大ボケをかますお母さん、冷静な一人息子、そして謎の女マミコ…映像化するなら薬局の主人はイッセー尾形がいいと思う。サゲの直後に高座の後から巨大なファックス用紙がカタカタカタと出てくる趣向あり。

現在ならファックスじゃなくて携帯メールなんだよね。携帯メールだったら家族が大騒ぎじゃなくて個人が慌てることになる。90年代の新作落語なのにどこか古典落語風なのは、舞台が商店街の薬局一家という設定だからだろう。後半に登場する印刷屋や八百屋も長屋の住人そのものだ。仲入りのときに、友人が「ポン太せんべい」を買ってきてくれた。「数量限定ですよ!」さすが、素早い。

トリネタは芝居噺『中村仲蔵』、歌舞伎のマクラを振った瞬間、「あ…」と思ったら、やっぱり『中村仲蔵』だった。血筋が重要視される歌舞伎界にあって、才覚で大看板にまで出世した初代中村仲蔵が主人公。歌舞伎『忠臣蔵』五段目の斧定九郎を演じ、凄絶なまでに美しい悪の化身という演出を創造し、稀代の名優として後世に残る。

今日の高座は、舞台照明で花道を演出したり、音曲や柝を入れて芝居の型を演じたり、視覚にも訴える演出だった。それでもやはり凄いのは志の輔の演技である。先代の林家正蔵(彦六の正蔵ね)だとカチカチに演じてしまうが、随所にギャグを散りばめて客を笑わせつつ、基本はハードボイルドな志の輔の高座、次第に客は江戸の芝居小屋へ引きずり込まれて行く。途中から高座に『忠臣蔵』五段目の絵が見えてきた。凄い。正味90分近い熱演だった。

舞台が跳ねた後、友人と臺灣料理店『龍の髭』で食事。
お誘いいただき、謝々!

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