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桃太郎

天気が良いので洗濯をし、部屋を大掃除しながら…いや小掃除だな、まあいいや(苦笑)、一息ついて珈琲を飲みながら落語のCDを聴いた。昔昔亭桃太郎の『寝床』である。もうなんだかなあ、可笑しくて可笑しくてクスクス笑ってしまう。

義太夫を語るのが何より好きな大店の主人が、酒肴を用意して長屋の住人や番頭、手代など店の奉公人を集めて義太夫の会を開く。ところが主人の義太夫たるや、下手の横好きを通り越しており、この義太夫をまともに受けると衝撃で寝込んでしまったり、はなはだしきは死に到るという(笑)、まるで生物兵器のような義太夫なのである。『寝床』はこの主人の義太夫を巡って大騒動が起きるという噺。寄席でも落語会でもよく演じられる噺なのだが、これを昔昔亭桃太郎が演じるとどうなるか? 

かつて落語会でまともに桃太郎の『寝床』を聴いたことがあるが、そのときもクスクスどころかところどころで爆笑失笑を禁じ得なかった。「提灯屋はどうした?、来ないのか?、豆腐屋は?、ガンモドキの大量注文が入って来られない?、鳶のカシラはどうした?…」というお馴染みの段は、さらに「ローカル岡はどうした?、高田先生はどうした?、昇太はどうした?」と延々と続く。もちろんローカル岡(故人)は漫談家、「高田先生」は放送作家の高田文夫、「昇太」というのは弟弟子の春風亭昇太である。

昔昔亭桃太郎といえば、知っている人は知っている、知らない人はまったく知らない、故春風亭柳昇の惣領弟子で、今や日本を代表するベテランの新作落語家。その桃太郎が古典落語を演じるのだが、これがちゃんとした古典落語になっているところが凄い。ちゃんとした、どころか、古典落語の作法をきっちりと踏まえたうえで、桃太郎独自のダジャレの絨毯爆撃とくだらなすぎるギャグを散りばめて、余人の追随を許さない桃太郎落語に仕上がっているのである。

それなりに綺麗になった部屋の中でぼんやりと落語を聴く。また今年もせわしなく過ぎていき、また慌ただしい来年が来るのだろう。まあ、いいか(苦笑)

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