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名人の弟子

演芸研究会梅雨の例会は横浜にぎわい座で『川柳・圓丈二人会~六代目三遊亭圓生譲りの古典&十八番新作共演』

三遊亭玉々丈 / 名古屋版・金明竹
オープニングトーク
川柳つくし / 少子化対策
三遊亭圓丈 / 居残り左平次
川柳川柳 / 首屋
三遊亭圓丈 / 夢一夜
川柳川柳 / 昭和の笑話

おそらく最後の破天荒な落語家・川柳川柳、現在の新作落語の開拓者・三遊亭圓丈の共演である。そしてこの二人はともに昭和の大名人・六代目三遊亭圓生の弟子、ということは二人は兄弟弟子なのである。特にここ数年ずっと三遊亭圓丈のCDを聴き込んでいるが、高座を見るのは久しぶりだ。

前座の玉々丈、師匠圓丈譲りの『名古屋版・金明竹』を軽やかにこなしてなかなか聴かせる。省略の仕方も巧い。次のめくりは…オープニングトーク…何かと思えば着物姿の圓丈とスポーツシャツ姿の川柳が登場。後から弟子の川柳つくしがついてきた。川柳師匠、どうやら遅刻したらしい(笑)

「アニさん(兄さん;兄弟子)の移動手段は都バスですから、多摩川越えられないんです…(三遊亭)圓生の弟子で元気なのは私とアニさんくらいなもので、圓楽さんはいなくなっちゃうし…残ったのは新作派のわれわれ…それにしてもこの二人会、これで最後でしょうねえ(笑)」
「オレは圓生を越えるよ、歳だけは(笑)」

六代目圓生は79歳で死んだ。川柳師匠は78歳、そして圓丈師匠は64歳。まだまだ元気。

つくしは小渕優子や麻生太郎が登場する『少子化対策』で笑いを取る。つくしちゃん、巧くなったなあ…エロネタもきれいにまとめるところは師匠の反面教師だね。マクラで「さっきのオープニングトーク、私は要らないですよねー、あの二人(川柳・圓丈)はとても仲よしなんですけど、二人だけだと照れくさいみたいで、直前に『つくし、お前も来い!』って(笑)」なんかイイ話です。

圓丈最初の高座は『居残り左平次』…マクラで自分が落語家になった頃はまだ吉原の話がリアリティを持っていたから観客の共感を得たのに、現在は吉原(遊廓)のことをそのまま話してもリアリティが持てない…つまり「古典落語を『そのまんま演じる』ヤツはダメ、古典落語を現代の観客にもわかるようにアレンジしなくちゃ」という自説を、吉原(遊廓)を例に取ってサラリと開陳する。解りにくいサゲを解りやすく、しかも違和感のないサゲに変えていたが、このへんも圓丈の心意気なんだろうな。

続いて川柳、今日は古典の滑稽噺『首屋』…これ圓生師匠も演じてましたな。川柳はやっぱり「声が良い」。侍のセリフや所作が綺麗で格好が良くてお見事でした。長い長いマクラで放送禁止用語の読み替えをバカにしたり、扇子に書いたカンペを読んだり…「いいですよねえアニさんは…高座でカンニングペーパー読んで…あれじゃ落語じゃなくて朗読だ(笑)」という圓丈の言に「70歳過ぎたら何やってもいいんだよ!」…なぜか納得(苦笑)

仲入りの後は圓丈の新作『夢一夜』…末期がん患者が病院を抜け出しタクシーに乗って羽田空港に行く。患者の夢は日本庭園が見える和室の畳の上で死ぬこと。というわけで羽田空港のロビーにプレハブのお座敷と庭を拵えて死ぬというストーリー。金に釣られて予約カウンターのおねえさんが藝者になったり機長が幇間になったりするギャグが笑える。患者がくだらないことを言って運転手がクサると「末期がんジョークだよっ!」というところが何とも可笑しい。さすが圓丈師匠、お見事の一席。

大トリは川柳で『昭和の笑話』…昭和庶民の娯楽の王様だった映画が、やがてテレビにその座を奪われていく過程を面白可笑しく語っていく。確か『TVグラフティ』という題でも演じていた噺だ。嵐寛寿郎や市川歌右衛門演じる鞍馬天狗や旗本退屈男の荒唐無稽さを茶化して笑わせる。時代劇映画いじりは林家木久翁よりオモシロい。

戦争に負けてアメリカに占領されていた日本人のルサンチマンを晴らしたのは力道山、というくだりで「彼は朝鮮人、今の北朝鮮です。その力道山が憎きアメリカ人を空手チョップで叩きのめす、それを見てわれわれ日本人はやんやの喝采を送ったのです。だから北朝鮮を悪く言っちゃあいけません…援助しようよ」

悲しいかな木久翁はこういうネタの展開ができない。さすが川柳師匠。

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