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都筑道夫から岡本綺堂へ

都筑道夫『都筑道夫ポケミス全解説』(フリースタイル)を読む。

都筑道夫(1929-2003)といってもミステリファンでなければ知らないかもしれない。戦後の翻訳ミステリ、サスペンス、SF、ホラーに関する評論、エッセイを読めば、その大半に都筑道夫という名前を目にすることができる。

都筑道夫自身も推理小説家/翻訳家としてよく知られた存在だった。私は熱心なミステリファンではないが、時代小説と落語とミステリを絶妙にブレンドした『なめくじ長屋捕物さわぎ』(岡本綺堂『半七捕物帳』へのオマージュ?)や『悪魔はあくまで悪魔である』『黒い招き猫』という優れたホラー小説集で都筑道夫に親しんだクチである。

都筑道夫が早川書房に編集者として在籍していた1956年から1960年頃までに執筆したポケミスの解説を集めた1冊。ポケミスというのは早川書房から現在も刊行されている『ハヤカワ・ミステリ・シリーズ(A HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)』の愛称。新書判サイズでビニールカバーが着いていて、天・地・小口が黄色に塗られている特徴的な装幀。書店で見たことがある人もいるかもね。

ともかく本書は戦後の翻訳ミステリ史をたどる一級の資料と言えるだろう。どこから読んでもいいし知っていても知らなくても面白い。欧米の出版界ゴシップ的覗き見的要素も垣間見える。海外が遠い遠い時代だったのだなあ。ちなみに本書はポケミスそっくりの装幀というところが洒落ている。私はてっきりポケミスだと思って買ってしまった(笑)

余談だが『推理作家の出来るまで(上・下)』(フリースタイル , 2000)という本がある。作家都筑道夫の自伝であり、日本ミステリ史、東京っ子の昭和庶民史という超一級の史料。上下合わせて1200頁を超える厚さにゲンナリする人もいざ読み始めると止められない面白さだ。

さらに余談だが最近『読んで、「半七」! 半七捕物帳傑作選(1)』(ちくま文庫)が刊行された。編者は北村薫と宮部みゆき。推理小説と時代小説、怪談に加えて江戸や明治の風俗をみごとに活写した名作『半七捕物帳』はぜひ読んでほしい。『半七捕物帳』や岡本綺堂についてはまた後日…

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コメント

『推理作家の出来るまで』は読みました。ハヤカワミステリマガジンに連載中に拾い読みしていたんですが、なかなか単行本化されなかったんですよね。都筑道夫はある意味、翻訳ミステリにおける江戸川乱歩みたいな役割だったのかなあと思ってます。
久夫十蘭の傑作捕物帳『顎十郎捕物帳』の贋作もありましたね。

日々是好日様

レス遅くなってすみません。
パソコンが調子悪くて携帯電話から書き込みします。

都筑道夫=江戸川乱歩というのは、そのとおりかもしれません。似たような経歴の小林信彦も大乱歩と接点がありますね。戦後に限らず日本の翻訳ミステリ史は、マニアだけではなくもっと関心を持たれて然るべきだと思います。

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