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自分探しが止まらない

湯浅学『あなのかなたに』(扶桑社)
幻の名盤解放同盟のメンバーとして知られる著者の自伝的小説。時代背景が1980年代ということもあり、あの無闇に明るかったあの時代の雰囲気がしみじみと身にしみる。主人公が中古レコードを漁る場面はまさに自分と同じではないか。主人公が知り合いのDJに頼まれ、オシャレでスカシた店でレッド・ツェッペリン、春日八郎、ジョン・リー・フッカー、郷ひろみ、ボブ・ディラン、南沙織、チョー・ヨンピル…とレコードを回して顰蹙を買う(笑)心休まる小説。

絲山秋子『絲的サバイバル』(講談社)
絲山秋子は芥川賞作家で鬱病で大酒飲みで独身で無頼派、彼女が書く小説はとても良い。そしてエッセイもまた良し。前作『絲的メイソウ』に続くこのエッセイ集は、絲山秋子が毎回さまざまな場所で野外キャンプをするという内容。ひとりキャンプと引っ越しは少しだけ似ている、というところに共感。私はキャンプなどしないのだが、ときどき出かける独り旅と基本的な部分は共通している。

竹内実『中国という世界:人・風土・近代』(岩波新書)
中国について他の人より詳しいと認識されると、必ず「どうして中国は……なんですか?」「中国人は何故……なんですか?」「中国では……なんですか?」と尋ねられることが多い。これが中国文学・中国学の泰斗である竹内実であれば尚更である。著者が軽くボヤいてみせる「序章」は何とも可笑しい。中国入門としても優れた一冊であると思う。

速水健朗『自分探しが止まらない』(ソフトバンク新書)
「自分探し」なるものがもてはやされて久しいが、最近はそんな風潮は廃れてしまったのかと思っていた。しかしそんなことはなく今も若い人たちは自分を捜しているらしい。たぶん自分探しというものは生き方のことなのだろう。生き方とは職業と不可分だから、自分探しをすごく大雑把に言うと、今の職業とそれにともなう日常に満足できないということだろう。自分探しに邁進するのは別に悪いとは思わないが、自分ばかり可愛く思うのもたいがいにしてもらいたい、とも思う。なんかオヤジだなあ、オレ(笑)

島田裕巳『平成宗教20年史』(幻冬舎新書)
「自分探し」と不可分なものとして宗教がある。特に1980年代後半から現在まで、つまり昭和末期から平成にかけて日本社会を揺さぶった新宗教、スピリチュアルブームは、若者の自分探しとぴたりとリンクしている。オウム真理教に代表される新宗教があれだけ若者をターゲットにしたのがその証拠。新宗教はスピリチュアルというかたちに変わって今も自分探しに奔走する迷える子羊を絡めとっている。ま、それで本人が幸せになれるならいいんだけどね、そうじゃないところが難しい。

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コメント

自分探しは就職指導(=キャリア・サポート?)などと結びついて、結果的に離職率の高さを招いていると思われます。つまり、大学出て直ぐに自分に完全に合う一生涯の職を探そうとするあまり、現実との溝を埋めきれずに早い時期での離職になるらしいです。
そんなに大げさに考えずに、サラリーマンという面白いおじさん観察に出かけるつもりで毎朝出勤してみてはどーでしょうか。
え゛~!そんな指示出すの?とか、ギョッとする様な行動をとるオジサン達もいて、旭山動物園より楽しめますよ!!!
なんてな・・・。

卓見ですね 大学がエリートだけのものではなくなったいま、学生の保護者は大学に対して教育と就職の担保を強く求めています。だから大学の就職率についても厳しい目で見ます。大学の就職部も仕事がキツくて大変そうですね。

楽しい仕事なんてきっと無い。だけどどんな仕事でも、我慢してその仕事に取り組んでいれば、ちょっとずつ楽しくなってくるものなんだけどねえ。仕事なんて不条理だらけだよ(苦笑)

ま、今の親たちは子どもの個性を伸ばす教育が良い、と盲信して、押しつけ詰め込み教育を忌み嫌っているんだろうが、社会に出たら不条理の連続なんだから、子どものうちから不条理に耐える教育も必要なんだよ、きっと。

これからの学生は、就職試験に合格する努力だけじゃなく、仕事を楽しむ力、不条理に耐える力、そして転職能力をつけるほうがいい。就職した会社がヤバいかどうかを見極め、さっさと転職するスキルも教えたほういいのかもね(笑)

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