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ローランド・カーク

ラサーン・ローランド・カーク(1936-1977)というミュージシャンがいた。盲目であるがゆえに黒いサングラスをかけ、一度に三本の管楽器を吹くため首から三本の管楽器をぶら下げている。その他ホイッスルやら何やらをあちこちにぶら下げている。ジャズシーンに話題になった1960年代当時はその音楽性や見た目から「グロテスク・ジャズ」と紹介されたこともあるという。

しかしその音楽性は、大衆性から離れ始めた当時のジャズが置き去った「大道藝的」なギミックやスピリチュアルブルースの要素を秘めており、一部に熱狂的なファンを生んだ。必殺1人三管アンサンブル(例えばテナーサックスとマンゼロとストリッチ)と言っても単なる曲藝ではなくその音楽性は高い。また主要楽器のテナーサックスは凡百のミュージシャンを凌駕する。1970年代からはリズム&ブルースやファンク寄りのコンセプトに移行していく。

私が好きなアルバムはジャッキー・バイアード(p)リチャード・デイビス(b)エルビン・ジョーンズ(ds)という強力無比なリズムセクションを従えた傑作『リップ、リグ&パニック』、力強く暖かい音楽性が詰め込まれた『溢れ出る涙』、ゴリゴリと熱いパフォーマンスを繰り広げる『ヴォランティアード・スレイヴリー』あたりだ。

林建紀『週刊ラサーン』(プリズム)という新刊を読んだ。呆れた(笑)。カークの録音から使用楽器解説からリズムセクション比較から、ローランド・カーク好きにはたまらない1冊に仕上がっている。言わば『磯野家の謎』ローランド・カーク版と言ったところだ。例えばカークが多用した管楽器「マンゼロ」と「ストリッチ」と「サキソフォニウム」とは何か? 「サーロルオフォン」って知ってる? うーん、ナンダカワカンナイでしょう、ってわからなくってもだいじょうぶです。私もよくわかってません。それにわからなくてもあなたの人生に何の問題もありません(笑) 

これはジャズ評論家の中山康樹のウェブサイトに連載されたものが本になった。このようなマニアな話題は『ジャズ批評』…最近全然読んでないなあ…の独壇場なのだが、まさかこれだけで1冊刊行できるとは思えない。ペーパーバック装幀で1000円という値段なら納得。まさにインターネット時代ならではの刊行物である。どれだけ売れるのか知らないが、きっと私のようなヤツが書店で見つけて「おおっ!なんじゃこりゃ!」と呟き乍ら買うのだろう。興味のある方はどうぞ、といってもいないよね(爆笑)

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