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時をかける国

リービ英雄『我的中国』(岩波書店)を読む。著者は1950年、ユダヤ系アメリカ人の父とポーランド移民の母とのあいだに生まれた。外交官だった父の赴任先の臺灣、香港、香港で幼少期を過ごし、60年代後半には家出して新宿をうろついていたらしい。アメリカに戻ったあとプリンストン大学・大学院で日本文学を学び「柿本人麻呂」で博士号取得、スタンフォード大学等で教鞭をとったあとに来日。日本語を母語とせず日本語で創作活動を続ける希有な作家。

ずっとリービ英雄というのは日系アメリカ人の作家なのかと思っていたが、実はリービ・ヒデオ・イアン(Ian, Levy Hideo)なのだった。ミドルネームの「英雄」は父の友人だった日本人に因んでいるという。書店でこの本を見つけて、なぜリービ英雄が中国?と疑問が湧いたのだが、実はこういう経歴の持ち主であり、日本語も中国語も話せるということを知った。ぱらぱらと立ち読みしたら面白かったので読む。リービ英雄とは逆に、日本語(母国語)以外の外国語で創作を続ける日本人作家というと、私は多和田葉子(ドイツ語)しか知らない。

国際都市北京や上海ならいざ知らず、いまだに中国の内陸部に行けば外国人はまだまだ珍しい。日本人であればまだ東洋人だから特に珍しがられることも少ないし、そもそも中国人にとって日本人や韓国人は偉大なる中華の属国だから、あまり気にとめられもしないのかもしれない。しかしどう見ても「老外」(西洋人)の風貌をしながら、日本に住んでいて、しかも中国語を話すリービ英雄は、中国人にとってはなんとも不思議な存在なのだろう。

ちょうどエドガー・スノーの『中国の赤い星』を再読していたところだったので、この中国革命の聖地・延安を訪れるルポルタージュ的エッセイは実に面白かった。なんだか延安に行ってみたくなってしまった。それにしても中国という国は、未だに時間の壁を超えたモノがあちらこちらに存在するのだなあ。面白い国である。

中国を題材とした作品『天安門』(講談社)、『ヘンリーたけしレウィツキーの夏の紀行』(講談社)も一読の価値あり。

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コメント

相変わらず?活字の中を漂っていらっしゃるようですね?理路整然として、且、力強い書評に脱帽です。

大学時代はいざ知らず…最近中国関係の書籍から離れつつあったので、この書評をきっかけ?にまたズブズブと中国迷の道に迷い込もうかと思いました。

中国関連では、昨年読んだ、吉本隆明×辺見庸の「夜と女と毛沢東」が最高に面白かったのですが、先輩は…多分(当然?)ご存知…かと!?

『夜と女と毛沢東』は書店で見かけて「なんじゃこりゃ?」と思いました。吉本隆明と辺見庸かあ、くどそうだなあと思いました。それから『You and the night and the music』のモジリかあと思いました。早い話が未読(笑)……そうですか、面白いですか、じゃ読んでみよう。

中国本の収穫といえば、昨年は星野博美『謝々!チャイニーズ』(文春文庫)、『愚か者、中国をゆく』(光文社新書)、寥亦武『中国低層訪談録』(集広舎発行 中国書店発売)、李盛振『紅色紅衛兵』(ファイドン)でした。

特に星野博美の2冊は改革開放時期の中国を知る者にとっては涙モノの傑作でした。Marilaさんならきっと楽しめると思うけど、もう読んだかな?

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