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藝術の秋

『アヴァンギャルド・チャイナ〈中国当代美術〉二十年』を観に国立新美術館へ行ってきた。

Dsc05107

朋友のブログで紹介されていたので興味が湧いたのだが、これがまたとっても面白くて内容の濃い展覧会だった。黃永砯(Huang Yongping)、張暁剛(Zhang Xiaogang)、方立鈞(Fang Lijun)、馬六明(Ma Liuming)、張洹(Zhang huan)、曹斐(Cao Fei)という現代藝術の先鋭たちの作品がまとめて展示されるのだから興味津々。

特に気に入ったのが張暁剛の大家庭シリーズ。古い家族写真をモチーフにした作品は、精気のない人物の表情から漂う不思議な追憶と不安感が観る者の心を捉える。ノスタルジアと時間軸の断絶が不思議な効果を生んでいる。

笑っているような歪んだ表情の男が何人も登場する方立鈞の作品も面白いし、トイレに座り込み無数の蠅にたかられたり(『12㎡』)、天井から吊るされて血液を抜き沸騰させたり(『65kg』)する過激なパフォーマー張洹の映像も興味深い。

余談だが『12㎡』はかの有名な中国の「ニーハオ・トイレ」内部が映像に記録されたという点でも面白い。撮影中に用足しに来た青年が戸惑っている様子には笑った。

養魚池に多くの人々が入って行く『為魚塘増高水位』では、魚がビョンビョン跳ねて「魚だ、魚が飛んできたぞ!」と叫ぶ声が、張り詰めた映像を一瞬ほのぼのさせる。

何度観ても飽きない曹斐のビデオアート『Hip Hop Guangzhou(広州)』は傑作だと思う。

1989年2月に行われた中国現代藝術展の写真が展示されていたが、これが私にとってはなんとも懐かしくてならない写真だった。といっても私がこの現場にいたわけではないのだが、これらの写真に記録された当時の中国人青年の風俗が、まさに“あの頃の中国”なのである。

細いジーパンにざっくり編みのセーター、野暮ったい長髪にセルロイドの黒ぶち眼鏡…寒い時期なので公安はあの重くて暖かい軍大衣(jundayi)を着ている…改革開放の波のなかで力強く泳ぎ始めた中国人たちがここにいる。そしてこのわずか4ヶ月後、天安門広場は血に染まった。

秋なのでアートしてみた午後でした。

Dsc05109

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コメント

おお!いらしたのですね~。

なかなかだったでしょう? エネルギーが満ち満ちていて、見ごたえ十分ですよね。
 

それにしても……あのハエのとか、血のとか、見られたのですか……。さすがにあれは私には無理でした……。

美術論集ではちらと見かけたことがありましたが、実際に作品を観ると凄いですねー。

長い間抑圧されていたエネルギーが一気に過激な表現として爆発したのでしょう。なにごとも極端になりがちな中国ならでは、って感じです。

あ、そうそう…ハエとか、血とか、あんなパフォーマンスでビビってたら、実際に中国なんか行けませんよ(笑)


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