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筒井康隆健在也

桐野夏生『東京島』(新潮社)
無人島に漂着したただ一人の女は、同様に漂着した多くの男たちから女神と崇められる。しかしその女神はまた娼婦でもあった。日本人たちはこの島を「東京島」と呼ぶようになる。やがて中国人たちが漂着し無人島はひとつの“社会”へと変貌する。日本人社会と中国人社会は対立の様相を呈し、あまつさえ日本人社会からはじき出される“同胞”まで現れる。

脱出と絶望、生と死、どこにも行くあてもない東京島を舞台に、熱に浮かされたような狂気が充ちていく…ひさしぶりに桐野夏生を読んだけど、やっぱり面白いなあ。


三崎亜記『鼓笛隊の襲来』(光文社)
遠く南洋海域から日本を襲う鼓笛隊の恐怖。覆面法が施行された世界。公園に現れたほんものの“象”の滑り台。家の中で異次元に入り込んだ男。校庭のまんなかに建つ家に住む家族……日常にスルリと入り込む怪異と恐怖は、いまどき珍しい岡本綺堂のホラーを思い出させてくれる。


筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(新潮社)
「……さっきバッハの対位法の話が出たけれども、あれなんかベケットのやったことからだいぶ遅れているわけです。文学では誰もあれをやってない。つまりあれは反復するわけです。音楽には反復ということがある。いま聴いたばかりのメロディーを、あれはいいからもう一度聴きたいという聴衆の希望があるでしょう。音楽の場合、それをすぐ叶えてくれる。小説でなぜそれがないのか。つまり、いま読んだ文章がいいから、もう一度読みたいということはあると思うんですよ……」

というわけで、小説で“それ”を実現してしまうところが筒井康隆の筒井康隆たる所以。いやあ、さすが筒井康隆である。日常を遠く離れた“小説”の高みを存分に堪能させてくれます。

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