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上毛電気鉄道の旅

東急田園都市線は2003年から東武伊勢崎線・日光線と相互直通運転が開始された。それまでこの路線の終点は水天宮前だったのだが、ある日いきなり行き先表示板に「東武動物公園」だの「北越谷」という文字が現れた。 おいおい何処まで行くんだこの電車は? だいたい「南栗橋」ってのはいったい何処だ? うっかり寝過ごしたら何処に連れて行かれるんだ? 沿線住民はみなこのような思いを抱いたのである。

ま、それはそうと今日は新潟の実家に帰省するのであるが、師走の帰省ラッシュ最高潮のこの日、どうせならぐるりと大回りして帰ってみようと思い立つ。いつものように計画性ゼロ、思いつきでGO! 東急田園都市線久喜行きに乗って、終点まで行ってみることにした。いつものように最寄り駅で電車を待つうちに、やってきました各駅停車久喜行き。久喜というのは埼玉県久喜市のことらしい。さて行ってみよう。

渋谷と表参道でどどっと人が降りて急に乗客が少なくなる。私もたいていは渋谷か神保町で降りるのだが、今日は何も心配せずに最後まで座っていればいいのだ。やがてかつての終点水天宮前を過ぎて電車は押上に到着。ここから先は東武伊勢崎線電車区になるため、乗務員が東急電鉄から東武電鉄に交替する。全身茶色の制服に身を包んだ東武電鉄の乗務員登場。電車が出発してまもなく地下から地上に出る。曳舟〜鐘ヶ淵〜堀切と、電車は下町を抜けてどんどん郊外へ荒川土手を右に見て堀切駅の古びた駅舎はいつ見ても良い。

北千住ではJR常磐線が停まっている。関東北部は私にとって未知のエリア、緊張に身が引き締まる思いがする。 車窓から見える風景も、下町や町工場からだんだんと農地が目立ち始める。都心から1時間ほどでもう旅情満点だ。やがて北越谷〜春日部を過ぎ、電車は東武動物公園に到着。おおここが東武動物公園駅か。うっかり寝過ごすとこんなとこまで来てしまうんだなあ。気をつけよう。ここは東武伊勢崎線と東武日光線の分岐点。それにしてもこのへんには古びた駅舎がたくさんあって嬉しい。和戸では思わず降りてしまいそうになる。危ないところであった。

やがて電車は久喜に到着。所要時間は実に2時間近い。上越新幹線ならとっくに新潟に着いている。それなのにまだ埼玉県と群馬県の境にいる私。小腹も空いたのでの立ち食いそば屋に行く。「久喜ラーメン」? なんだこりゃ? てんぷらそばはないのか? ここは駅そばではなくラーメンの看板がでかでかと掲げられている。それでもちゃんとてんぷらそばはあった。あったが、私以外の客はみな久喜ラーメンを食べている。うーん、わからん。しかし今日は調査している時間はない。

まもなく入線してきた東武伊勢崎線館林行きに乗り込む。いやまたこの沿線にもステキな駅舎が目白押し。駅舎愛好家にとってはたまらない。茂林寺駅前という駅があったが、ひょっとしてこの茂林寺というのは、草創期の東京巨人軍が、ライバル大阪タイガースに打ち勝つために、選手が猛特訓…通称『茂林寺の特訓』をおこなったという、あの茂林寺なのであろうか? しかしこの駅舎もたまらない風情があるなあ。(※後で調べたらここは分福茶釜伝説でお馴染みのお寺。巨人軍の猛特訓はこの近くの分福球場でおこなわれたという)

館林で東武佐野線に乗り換える。ホームには東武浅草行き200系りょうもう号が発車を待っていた。

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館林駅は跨線橋もあるが地下通路もあるのでこれまた嬉しい。私は跨線橋よりも地下通路を愛する「駅舎系地下通路派」なのである。もしも仮に「どっちで乗り換えまショー」という番組があったなら、迷うことなく「地下通路」に手を挙げるつもりだ。さて東武佐野線は2両編成ワンマンカーの葛生行き東武800系が走る典型的なローカル線。

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渡瀬〜田島〜佐野市と過ぎてJR佐野到着。ここが関東の三大師、かの有名な「佐野厄除け大師」がある佐野かあ。それにしても田島と佐野市はいい駅舎だったなあ(こればっかり)。 佐野駅で30分待ってJR両毛線に乗り換える。両毛線はおなじみ緑とオレンジの車輌、東海道線や高崎線を走る旧国鉄115系セミクロスシート。旅情はいやがうえにも盛り上がるのであった。電車は富田〜足利〜山前〜小俣を過ぎて桐生に到着。ここから上毛電気鉄道の西桐生駅まで徒歩。途中で地元のおっちゃんに西桐生駅までの道順を尋ねた。「駅? 国鉄じゃなくて上電(じょうでん)の? 上電の駅はあの信号の先だよ、うん、すぐそこだよお(笑)」そうかあ、地元の人は上毛電気鉄道を上電っていうのか。おっちゃん、ありがとう。

そして見えてきました西桐生駅。歴史のある古くてモダンな駅舎、雰囲気はJR国立駅によく似ている。西桐生の駅舎は昭和3年建築当時のまま、関東名駅100選にも選ばれている。そういえばJR国立駅は大正15年建築というから、当時はこういう駅舎建築が流行りだったのだろうか? それにしてもいい駅舎だ。

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上毛電気鉄道の車輌は東急世田谷線のような2両編成のワンマンカー700型で、もともとは京王電車3000系らしい。そういえば井の頭線車輌のような雰囲気が濃硬だ。

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上毛電気鉄道は車窓から赤城山を見ながら田園地帯を走る走る。どこまで行っても田園地帯、時はちょうど夕暮れ、進行方向に真っ赤な夕陽が沈んでいく。夕陽に向かって走る上電は最高。夏の昼間なんかに乗るのもよさそうだなあ。よく見るとドアに「自転車は後部車輌へ」というシールが貼ってある。

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どういうこと? 自転車乗り入れ可? なんて不思議に思っていたら、途中から自転車とともに乗り込んでくる若者が! 「おおっ!」と吃驚しているうちに、さらに次の駅からさらなる自転車が乗り込んでくる。そうかあ、自転車でそのまま乗車して、下車駅からすぐに自転車で家に帰れるというわけか。うーん、すごいぞ、上電。

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さらにすばらしいのはお年寄りにやさしい電車だということ。まるで路線バスのような電車なので乗客は地元の常連さんがほとんど、そして私のような電車好きやさらにディープな「鉄」のみなさんなのだろう。まあよそ者はおいといて、、、押し車とともに乗り込んできたお婆さんが下車するとき、運転手は運転席から出てきて、お婆さんが料金を払うと、押し車をえいやっと持ち上げてホームに運んであげたのである。

「よっこらしょっと、、、さあてこれでいいかな? それじゃ気をつけてねえ」 お婆さんはホームでじっと佇んで運転手を見詰めている。運転手は後ろを振り返ることなく、すでに業務に戻っている。動き出す電車に向かってお婆さんは深々と頭を下げた。 運転手エライ! 一連の動作がほーんと、ごく自然な感じだったところがエライ。上電、エライ! 

ほのぼのとした気分になったまま電車は終点の中央前橋駅到着。車輌が京王電車のおさがりということもあり、京王井の頭線吉祥寺駅のホームを思わせる雰囲気だ。

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すでにとっぷりと日も暮れてJR前橋駅まで運行しているシャトルバスに乗る。チンチン電車を模した木造りの車内がまたいい感じである。JR両毛線前橋駅から高崎駅へ出て、上越新幹線で新潟へ向かう。30日だというのにデッキまで乗客が立っている混雑ぶりだ。まあここから新潟なら1時間ちょっとなのでなんてことはない。それにしても上毛電気鉄道は良い路線だった。こんどはもっと良い季節に乗りたいものである。

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