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新潟 ⇒ 柏崎

午前中に新潟駅到着。新潟市は政令指定都市に昇格したので、市民が慣れ親しんだこの駅舎も建て替えるという話である。それにしても、なりふりかまわぬ市町村合併で政令指定都市になっても、行政区の半分が田んぼじゃねえか(笑)わが故郷乍らバカじゃないの、と思ってしまう。もちろん地元民も同じだ。忠犬タマ公(県民でも知る人は少ない)の像もまた別な場所に移されているが、まあそんなことはどうでもいい。

11:40発越後線吉田行きに乗車して吉田へ向かう。越後線は新潟市の下町をのろのろと走る。最初は海岸に近い地域を走るので、沿線風景は砂地と松林と下町。私が小学生の頃、北朝鮮の拉致工作員はこのへんに出没していたのだ。新潟で買った鮭の焼漬弁当を食べようと思うが、この列車はロングシートなので食べにくい。しかも白山、関屋、小針、寺尾といった住宅地を通るので、私以外は年始回りの乗客がほとんどのようだ。しかたないから吉田で乗り換えたあとにしようと思う。

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12:31に吉田着。ここは東三条と弥彦を結ぶ弥彦線の乗り換え駅で、競輪開催日と年末年始の弥彦神社参詣でそれなりに重要な路線。この列車は吉田止まりなので柏崎行きに乗り換える。向い側の番線に停車している12:38柏崎行き列車はクロスシートだった。乗客もまばらな列車のなかで鮭の焼漬弁当を食べる。美味。妙法寺、出雲崎、小木ノ城あたりから車窓の風景がどんどん鄙びてくる。このあたりは海沿いであり乍ら里山の風情が漂っている。礼拝(らいはい)という駅があるのだが、この駅名を聞くたびに敬虔な信者が祈っている姿が浮ぶ。

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冬の新潟らしい曇天のもと列車は凄絶な冬枯れの景色のなかを走る。13:45柏崎着。

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柏崎は母の実家があった街で、祖母が亡くなったときに訪れて以来である。といっても私がまだ小学校にもあがっていない頃なのでほとんど記憶はない。とりあえず閑散とした冬枯れの柏崎駅前を散策。そういえば柏崎トルコ文化村はどうなったんだろう。

柏崎トルコ文化村は新潟ロシア村(すでに閉鎖)と並ぶ新潟へっぽこテーマパーク。同郷の友人によれば「まだ潰れたとは聞いてないから、あるんじゃないですか?」ということだ。そんなことを考え乍らうろうろしていたら、中近東の顔だちをした男性が乳飲み子を抱いた日本人の女性といっしょに歩いていた。おお、柏崎にトルコ人がいる! ということは…まだ柏崎トルコ文化村は存続しているのか? 

今日の目的地のひとつは柏崎から信越本線でふたつめの駅・青海川である。ここは“日本一、海に近い駅”として有名。海に近い駅はいくらもあるのだが……鶴見線の海芝浦は駅舎が海の上……この青海川のホームから眺める日本海、というロケーションが抜群なのである。

ところが次の直江津行きは15:20なのでだいぶ時間があるうえに、途中下車すると青海川で次の列車を1時間ほど待たなくてはならない。しかしそれではこれから先の旅程が狂ってしまう。少し考えてからタクシーで青海川に先乗りして15:27青海川発に乗ることに決めた。どれくらいかかるか知らないが30分はかからないだろう。それなら青海川に30分ほど滞在できるうえに、この列車は15:20に柏崎を発車するので予定通り直江津に着ける。

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駅前に停まっていたタクシーの運転手に「青海川の駅までどれくらいかかりますか?」と尋ねる。
「青海川ですか、うーん、3000円は出ちゃうねえ」
「いえ、時間なんですけど…」
「あ、時間…そうねえ、20分くらいかねえ…」
運転手は年輩の女性だった。こんな客は少なくないのだろう。対応も手慣れたものである。

予定が立ったのでタクシーに乗り込み青海川に向かう。私の祖母が柏崎にいたこと、35年ぶりで訪れたこと、海が見える場所に祖母の家があったことなどを話すと、運転手は気を効かせて「それじゃあ海が見える道を走ろうかね、どうせこれが今日最後の仕事だわあ、もうヒマでヒマで(笑)」といって、バイパスを避け昔からの住宅街に向けてハンドルを切った。

漁師町らしい風情の家々が立ち並ぶ、曲がりくねった道を暫く走ると、ぱあっと視界が開けて冬の日本海が見えた。その瞬間、記憶の底から幼い頃に見たであろう夏の日本海の映像が甦る。今となってはよくわからないが、たぶん祖母の家の近くから見た風景なのだろう。ギラギラと輝く夏の太陽と、青黒い夏の日本海、茶色っぽい砂浜と賑やかな浜辺の風景。何かの記憶が混在しているのかもしれないが、私はとても懐かしい気持になったまま、眼前に広がる鉛色の冬の日本海を見つめていた。

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