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風櫃の少年

『風櫃の少年』(1983)を観た。

大陸にほど近い澎湖島の街・風櫃(フォンクイ)。この街で阿清(鈕承澤)と友人たちは喧嘩と悪戯の毎日を送っている。家には父と母、兄がいるが、父は野球の試合で負傷し廃人同然となっている。ある日、阿清たちは対立するグループとの諍いから警察沙汰の騒ぎを引き起こしてしまい、友人の姉を頼りに家出同然のまま高雄の街に向かう。風櫃とはまったく違う大都会の高雄で阿清たちは、友人の姉、美麗(張純芳)のはからいで仕事と住いを得た。

阿清たちの住むアパートには、美麗の友人で夜間部に学ぶ黄錦和(陳博正)と、恋人の小杏(李秀玲)が暮している。阿清たちは工場で単調な仕事をこなし乍ら少しずつ都会暮らしに慣れていく。錦和は機械の部品を横流ししていたことがバレて工場を馘首になってしまい、小杏を置いて何処かへ行ってしまった。小杏に思いを寄せていた阿清はいろいろと彼女を気遣う。風櫃で喧嘩と悪戯に明け暮れていた輝ける日々は、彼らがおとなになっていくにつれて遠い過去へと消えていく。やがて父が亡くなったという知らせが届き、阿清は風櫃に戻った。阿清は家の入り口に座って、優しく頼もしかった父や若く美しかった母に守られていた日々を回想するのだった。

阿清は高雄を去って臺北に向かうという小杏を見送る。彼女を乗せた長距離バスとともに阿清の青春も去ってしまった。阿清にもそろそろ兵役に着く年齢が近づいてきた。阿清は工場を辞めて露店でカセットテープを売っている友人とともに、兵役記念の叩き売りを始めた。「兵役記念の大安売り! 三本で五十元だよ!」いつもと変らぬ高雄の露地に阿清の声が響き渡る。

楽しかった少年時代が終わり長くて退屈なおとなの時代が始まる。おとなの世界へ足を踏み入れる不安と期待、わけのわからない鬱屈、溢れるエネルギーの遣り場にとまどう。何処にでもある青春の物語。侯孝賢監督が好んで描いた題材だが、現代の高校生たちにも観てほしい映画だと思う。

風櫃の港で美少女の気を惹こうと、波の飛沫でびしょ濡れになってダンスを踊る阿清たちの馬鹿っぷり。いやあ、青春ってほんとうに、かっこわるいですねえ。

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