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恋恋風塵

『恋恋風塵』(1987)を観た。

炭坑の街で育ったワン(王晶文)とホン(辛樹芬)は兄妹のように仲がよい。ワンは中学を出ると臺北に出て印刷工場で働きはじめる。やがてワンの後を追うようにホンも臺北に出て洋装店で働きはじめる。ワンの下宿は映画館の裏の狭い部屋だ。ここでも主人公は映画館に住んでいる。ワンは印刷工場を辞めてオートバイで配達する仕事を始めたが、ある日オートバイを盗まれて海辺の街から帰れなくなってしまった。警察に保護されたワンはテレビを観ているうちに、落盤事故の映像を観て気を失ってしまう。父親の事故を思い出してしまったのだ。ホンは下宿で寝込んでいるワンを献身的に看病する。

やがてワンは兵役につくために臺北を離れた。頻繁に届いていたホンからの手紙がやがてぱったり届かなくなってしまい、ワンが送った手紙は宛先不明で戻されてきた。やがてワンは、ホンが郵便配達の青年と結婚してしまったことを知り、兵舎のベッドで悲痛なうめき声をあげて泣く。やがて兵役が終わってワンは家に戻ってきた。祖父(李天祿)はワンに向かって「薬用ニンジンよりもイモを作るほうが難しいんじゃ」と呟く。海を見下ろす炭坑街の風景は何ひとつ変らず、ワンの周りにはゆるやかに時が流れていた。

映画の冒頭、列車はいくつものトンネルを抜け炭坑街の小さな駅に到着する。この映画はこのシーンですべてが言い尽くされている。 余計な説明は何ひとつない。むやみに背景を語る言葉もない。そこにあるのは、ひとりの少年とひとりの少女の、淡い恋のような、仲良しの兄妹のような静かな思い。少年と少女がやがておとなになっていく過程にある、どこにでもあるような青春の光と影。まるで一篇の長篇叙事詩のような映画。もう一度観たい。何度でも観たい。そんな映画。侯孝賢監督、というか臺灣映画独特の長回しの撮影もいい効果をあげている。

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