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9月の読書

まずは荻原浩三連発。

書店で何気なく買った荻原浩の『神様からひと言』、あまりの面白さに一気通読。
一流広告会社を辞めて三流食品会社に転職した佐倉涼平。旧態依然とした会社、石頭の上司たちに疎まれてさっそく飛ばされたのは「お客様相談室」。つまりクレーム処理専門部署であり、ついでにいえば左遷も左遷、窓際も窓際、ようするにリストラ要員の吹きだまり。ここにいるのはパソコンおたくで社会性ゼロの羽沢、身につけているものの値段を即座に言い当てる元社長秘書・宍戸、クレーム処理の天才のくせに競艇狂いのダメ社員・篠崎、失語症の大男・神保、嫌味な上司の本間。そして佐倉は数々の目の覚めるような仕事を体験することになる。いやあ面白いわあ。上質のサラリーマン・エンターテインメントだ。

続けて『母恋旅烏』を読む。
レンタル家族派遣業という摩訶不思議な商売で糊口をしのぐ花菱清太郎。元々は旅回わりの花形役者だった清太郎は、いつかふたたび板の上に立つことを夢見て今日も行く。行くのはいいがついていくのはたいへんだ。糟糠の妻、アニメーターを目指す長男、十九歳子持ちの長女、うすぼんやりした次男。借金がかさんでどうにもならなくなった清太郎は、かつて自分が飛び出した旅一座に復帰し、夢にまで見た家族で芝居一座を組むことになる。しかし前途は多難。長女は新人演歌歌手としてデビューし、長男は家を出てアニメーターの学校に通い始めた。はたして花菱一家の行く先にあるものは?

さらに『誘拐ラプソディー』を読む。
「犯人はどこの馬鹿だ?」それは伊達秀吉、男、三十八歳、無職、所持金六百三十五円。切羽詰まった男が最期の大逆転を夢見て誘拐した小学生は、街でいちばんの暴力団組長のひとり息子だった。そうとは知らぬ伊達は呑気に身代金をせしめようと奔走する。暴力団組長に恨みのある中国人マフィアはこれを好機と反撃ののろしをあげた。知らぬ間に暴力団と中国人マフィアに追われる身となった伊達はしだいに不穏な空気を感じはじめる。いつのまにか県警の敏腕警部補までが伊達を追いかけはじめた。このうえなくマヌケで不運な誘拐犯の傍で無邪気にはしゃぐ人質。明日はどっちだ?

三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』を読む。
東京のはずれ、神奈川県境に位置するまほろ市を舞台に、便利屋を営む多田と行天の迷コンビがさまざまな事件を相手に活躍する。まほろ市は町田市のことで著者も町田市在住らしい。私も町田市に住んでいたことがあるので、ここは小田急駅前広場だ、闇市起源の商店街だ、あの奇天烈な喫茶店だと、街角の描写がリアリティを持って受け止めることができる。それはそうと、これ絶対映画化されるんだろうなあ。

バーバラ・エーレンライク『ニッケル・アンド・ダイムド:アメリカ下流社会の現実』を読む。
うーん、なんというかよくわからない。現場潜入ルポという手法は古典的(これは著者も書いている)なのだが、なんというか驚きがあまり無い。アメリカの貧困層は凄いことになっているというのは周知の事実なので、もっと目新しい事実が見えて来るのかと期待していたのだが、、、まあそれはそうと世界に冠たる“自由の国”がなんと不自由であることか。

NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被爆治療83日間の記録』を読む。
1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料施設で起った臨界事故のことを、いまどれだけの人が記憶にとどめているだろう。かくいう私も書店でこの本を見るまで忘れていた。放射線被爆事故の恐怖がひしひしと伝わってきて総毛立つ。そして100%無駄であることがわかっている治療に専念した医療チーム、死を待つだけの患者を励まし続ける家族の葛藤。いまこそ読まれるべき一冊。

北尾トロ『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』を読む。
いろいろな雑誌で雑多な記事を書き続けていた北尾トロも、いまや何冊も著作を出している中堅ライターになった。その北尾トロが裁判傍聴の面白さにハマり、裁判所に通いつめて目にした人間ドラマを軽快に描き出す。裁判所で出会った傍聴マニアのみなさんも凄い。マニア道とは奥深いものよのお。

斎藤由香『窓際OL トホホな朝ウフフの夜』を読む。
トンデモナイ天才ライター出現。父は北杜夫、伯父は斎藤茂太、祖父は斎藤茂吉、祖母は斎藤輝子。血は争えない。

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コメント

面白そうな本ばかり…時間が有ったら読みたいなぁ…なんて言ってたら、いつまでも読めないんでしょうね、きっと。

母として妻として家族の世話に奔走、私と違って自分の時間もろくに取れないんだよね。偉いよ、あなたは。
それはそうと『まほろ駅前多田便利軒』、なにしろ町田が舞台なもんだから、市内のあんなとこやこんなとこで、いろんな事件が起ってます。思わずニヤリとしてしまいます。どうです、読みたくなったでしょ? などといぢわるなことを言ってしまうのであった(笑)。

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