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吸血鬼ゴケミドロ

シネマ・ヴェーラにて『吸血鬼ゴケミドロ』(1968松竹)を観る。

映画館は道玄坂をテクテクと登り、セブンイレブンの角を曲がってホテル街を歩き、東急文化村に抜ける途中にあった。あまりにもシンプルな外観のためよく見ないと気がつかない。ちなみにこのシネマ・ヴェーラはQ-AXシネマという映画館ビルの3Fにある。B1および2FがQ-AXシネマ、4Fがユーロスペースである。ユーロスペースは桜ヶ丘からここに移転したのだがまだ行ってない。このビルには映画館が3館入っているのだが、これら3館が経営母体が別なのかそんなことは知りません。

渋谷の名画座といえば渋谷マークシティの裏側にある渋谷シネマ・ソサエティ。ここは開館当初、邦画の名画座として営業していたのだけれど、いつのまにか邦画の特集上映をやらなくなってしまった。邦画ファンとしては期待していただけに残念だったのだが、シネマ・ヴェーラは邦画の名画座たらんとして開館したので、今後もその意志を貫いてほしいものである。

さて『吸血鬼ゴケミドロ』の話だが……この映画、昔から観る機会はあったのだけれど、そのたびに外せない用事があったりスケジュール的に行けなかったり、ずっと観たいと思っていた一本だった。カルトSFホラーとして有名な映画で、けっこうあちこちで上映されており、まあそのうち行けばいいや、とのんびり構えていたが、まあ今回はどうやら観ることができたという次第。けっこう期待して上映を待つ。

後期新東宝バッタもの映画の名優・吉田輝雄が副操縦士をつとめる飛行機が、金色に輝くUFOに襲撃されて墜落。生き残ったのは吉田輝雄とスチュワーデスの佐藤友美のほか、威張り散らす代議士、成り上がりの武器商人とその妻(代議士の愛人)、精神分裂気味の心理学者、パラノイアの宇宙生物学者、爆弾狂の青年、性格の悪い外人女、殺し屋……ほとんどロクなやつがいない。さっさと救助隊を呼びたまえ、と怒鳴り散らす代議士と武器商人、極限状態の人間心理に興味津々の心理学者、慌てて爆弾を隠す青年、事態はどんどん悪化していく。乗客たちは互いに罵りあい人間性をむき出しにして醜い諍いを繰り広げる。このへんは先行する和製SFホラーの傑作『マタンゴ』(1963東宝)と同じく、ドラマにはお馴染みのシチュエーションだ。

そのうちUFOに連れ込まれた殺し屋が、アメーバ状の生命体(こいつがゴケミドロ)に寄生されて吸血鬼と化し、生き残った乗客たちに襲いかかる。まず心理学者と武器商人の妻が犠牲になり、乗客たちのパニックは頂点に達する。爆弾狂の青年は恐怖のあまり自爆、武器商人もゴケミドロに殺される。吉田輝雄が機転をきかせ、ゴケミドロにガソリンをかけて火だるまにして倒すのだが、間一髪で逃げ出した生命体は宇宙生物学者に寄生する。逃げる乗客、追うゴケミドロ。とうとう代議士と外人女もゴケミドロに殺されるが、吉田輝雄と佐藤友美はまたも機転をきかせ、ゴケミドロを倒して危機を脱した。ところが……

この時代のSFXだからしかたがないのだが、パックリと割れた殺し屋の額からアメーバ状の生命体がずるずるずる、と脳内に侵入していく場面が可笑しい。いちおう怖い場面なんだろうけど、当時ならいざ知らずいまの私たちからみればチープで可笑しい。この場面の殺し屋はおもいっきり人形です。またこの人形の造型が往年のドリフのコントを彷彿とさせて二重に笑わせてくれる。特撮の東宝だったらもう少しなんとかなったのかもしれないが、人情ドラマの松竹だからしかたないのかもしれない。代議士に媚び諂い妻を愛人に差し出した武器商人を金子信雄が演じているが、さすがネコさん、この屈折した小悪党の性格をみごとに表現している。またそれに妻を演じた楠侑子がイイ女なんだよなあ。冷酷そうで虚無的で実にイイ女である。殺し屋はシャンソン歌手の高英男。奇妙に無国籍で大仰で実にハマり役。

ようやく観ることができた一本だったが、一度観ればもういいや。

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