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中国大陸走馬観花記之二

二日目の朝はホテルのラウンジで朝餐。寝起きでぼんやりとし乍らバイキング形式の朝食を摂る。パンと珈琲を啜っているうちに母がお粥があったわよ、と言う。北京の朝餐がパンと珈琲なんてマヌケなもんだ。明日はお粥にしよう。地下鉄に乗って母が行きたいと言っていた故宮博物館へ向かう。

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初めて中国の地下鉄に乗る母が興味津々で構内を眺めているうちに地下鉄登場。相変わらず古くさい車輌だ。北京の地下鉄は相変わらず切符売場で直接買う形式。母は自動券売機はないのか、と言うがなかなかそういうものは普及しないようだ。まあここは中国だからいちいち驚いてはいられない。

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まずは王府井大街(wang fu jing da jie)で下車。北京の銀座通り、王府井もすっかり近代的に変貌していて驚いた。私の記憶にある王府井は人民服と自転車の洪水、古い街並と商店が立ち並んでいる通り。“現在の日本の銀座”みたいな雰囲気に変貌した風景を見て暫し感慨に耽る。

長安街を歩いて天安門広場に出る。ニュース映像などでお馴染みのあの天安門広場である。1949年10月、毛沢東がコテコテの湖南省訛りで中華人民共和国建国を宣言したあの天安門がどーん、と聳え立っている。1989年6月4日、中国全土を揺るがせた民主化運動、若者たちで埋め尽くされた広場、市民と人民解放軍が衝突して多くの血が流された場所だ。ひさしぶりに天安門を眺める。巨大な毛沢東の肖像画が広場を見つめている。あのときは日本のアパートでテレビを観乍ら呆然としていたことを思い出した。天安門をくぐって端門をくぐっていよいよここから故宮博物院。ここからは切符を買って入るのである。動かないでここで待っているように、と母に言い渡して切符売場の行列に並ぶ。ああ、ひさびさの排隊(pai dui)だ。なんだかちょっと嬉しい。

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中国で切符を買うためにはとにかく並ぶ(排隊)のである。かつて私は哈爾濱(ハルビン)駅で切符を買うために3時間並んだことがある。人民元を握りしめた人びとは切符売場の服務員と怒鳴り合い、後ろからはヤジが飛び、行列は遅々として進まず、私は持参した饅頭(man tou)を頬張り乍ら人の波に揉まれていた。あと数人で私の番というところで服務員はカウンターに札を立てて高らかに宣言する。「今日の汽車の切符は売り切れ!」

目の前で切符を買い損ねた男は激高してカウンターに飛び上がり、間仕切りを叩いて「ふざけるな! 朝から並んでいるんだ、売り切れとはどういうことだ!」と怒鳴る。たちまち周囲から、オレだって朝から並んでいるんだ、売り切れだあ? 嘘つけ、まだあるんだろう? ●●●●! どこに切符をまわすつもりだ! この●●●め! そんなもん役人にまわすに決まってるだろ、●●●! 金持ちにゃ勝てない、しょうがないよ、看板には「為人民服務(人民のために働く)」って書いてあるじゃないか、あの女を引きずり出せ!、てめえの●●を●●するぞ! 罵詈雑言と嘆息と怒号飛び交う駅構内の喧噪はいつ果てるともなく続く。まったくもって懐かしい想い出である。あの頃は気力も体力も時間もたっぷりとあったんだなあ。

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ここではわずか20分ほど並んだだけで切符が買えた。さすがにここで3時間並ぶ気力も体力も今はない。午門から太和門をくぐると目の前に聳え立つのが太和殿。映画『ラストエンペラー』でもお馴染みの、あの巨大な宮殿だ。残念乍ら現在修復中であの壮大な姿は拝めないが、その巨大さはじゅうぶんに窺うことができる。保和殿、乾清門、乾清宮、坤寧宮、、、さすが中国、無駄に広い。なにしろ72万平米もあるのだ。隅から隅まで堪能しようと思ったら数日かかると言われるくらいである。母がもうこれでじゅうぶんだと言うので、また最初に戻るために歩き出す。裏の神武門から出てもいいのだが、そうなるとこんどは故宮をぐるりと半周することになるので、めんどうだが天安門まで後戻り。天安門広場を横切って前門に向かう。また天安門広場ってのがこれまた無駄に広い。

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北京駅前の恒基中心という近代的なショッピングモールのファストフード店で午餐。うーん、紅焼牛肉麺がしみじみと不味い。決して美味しくない。しかしこれが一般市民の味だ。慣れればけっこういい感じなのだが、まあツアーでは味わえない午餐ということでよしとしよう。独り旅なら路地裏の汚い食堂で紅焼牛肉麺を啜るのだが、さすがに年寄りにそんなところでものを食わせるわけにはいかぬ。ほぼ同じ味だとしてもこちらのほうがずっと衛生的。

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暑さと疲れで午後は休息するという母をホテルまで送り私は独りで北京の街を散歩。地下鉄に乗って西単(xi dan)へ出る。お目当ての北京図書大厦(BEIJING BOOKS BUILDING)で本を買うつもりなのである。まったく何処に行っても本屋に寄るという病気は治らない。さてさて北京の書店はどのように変わっているのだろう。なにしろ18年ぶりなので見るもの聞くものすべてが新鮮だ。(写真は店の前にあるオブジェ)

店内に足を踏み入れて驚いた。予想はしていたのだが、なんとすべての本を自由に手に取って眺めることができる! 当時の書店では客が自由に本を眺めることができなかった。そういうフロアもあったが、たいていの本はカウンターの後ろに並んでいて、仏頂面の服務員に「あの本を見せてください」と頼むと、服務員のお姐さんが無言で書架から本を抜き出し、客に向かって放ってくれるというありがたいシステムだった。

ここで『重走長征路』『北京交通地図册』『理由』(宮部みゆきのアレです)の3冊を購い、音像売場では池袋の知音書店で見当たらなかったCD『中国60年代経典歌曲』を発見、ついでにDVD『東方紅』を購う。『理由』の臺灣版を持っているのだが、中国版のほうがページ数が少ないような気がしてならぬ。気になってしかたないので比較のために購う。収銀台(レジ)に本を持っていくと仏頂面のお姐さん(18年前よりずっと美人)が釣り銭を放ってよこした。おお、まだまだ中国名物「必殺釣り銭投げ」は健在。なんだかちょっと嬉しい。西単の胡同をぶらぶらとうろついて王府井書店を覗いてホテルに戻る。

追記:帰国して『理由』の臺灣版と中国版を比較してみたら、臺灣版は逐語訳、中国版はかなり省略が多く翻訳もちょっと雑だった。とはいえなかなか中国らしくてこれはこれでよい。

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