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中国大陸走馬観花記之四

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四日目の朝餐、バイキング形式のレストランでパンと珈琲。早くも中華料理に飽きてきた(笑)。ホテルのすぐそばの公園で京劇の演奏が聞こえてくるので行ってみると、四阿(あずまや)に老人たちが集まり名調子を披露している。二胡、琵琶、鳴りものの演奏に乗せて日に焼けた爺さんが朗々と京劇のセリフをうなっている。海河に架かる金鋼橋を渡って古文化街というテーマパークに至る。ここは清朝時代の街並を復元したショッピングモール。ぶらぶらし乍ら母の買い物につきあいタクシーで少し離れた鼓楼のそばにある広東会館へ行く。ここは100年ほどまえ広東地方の富豪によって建てられた建物。典型的な四合院様式で当時の雰囲気をよく保存していて見応えがある。この中心にひときわ目立つのが天津戯劇博物館。ここは京劇を上演するための戯楼で、広い内部には戯台(ステージ)が配置されている。天井はとても高く二階席の窓から射し込む光がいい雰囲気だ。精巧かつ繊細な彫刻が施されて圧巻、100年前の雰囲気が実によく保存されている。京劇の名優梅蘭芳(Mei, Lan Fang)もこの舞台に立ったことがあるそうだ。

鼓楼附近にはこれもまた古文化街と同じ清朝時代のショッピングモールがある。ついでだからとぶらぶら散策していたら、ある露店の隅に面白いものがあった。毛沢東バッジである。中国ではお土産として毛沢東バッジのレプリカがあちこちで売られているのだが、これらはどうもホンモノらしい。露店のオヤジ曰く「これはみんなホンモノさ。手放す人がいるんだよ。まあ、いまさらこんなもの後生大事に持っていたってしょうがないからな。あんた、コレクターかい? それならこれなんかどうだ。大きくてかっこいいぜ、一個10元でお買得だよ。これかい? ああこれは革命バッジだよ。これは小さいから5元。観光地で売られているのはみんなレプリカだけど、これはホンモノなんだ」ここだって観光地じゃねえか、とツッコミを入れたくなる(笑)。まあ中国のことだから精巧なレプリカかもしれないが、それにしても10個が1パックで売られているお土産品とは異なるいい雰囲気のブツなので購入。


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ちょうどお昼どきに差しかかったのでタクシーを拾って天津伊勢丹百貨店に向かう。あちこちで建設中の高層ビルを見かけるので尋ねてみると、魁三太郎似の運ちゃんは「そうだよ、なにしろオリンピックが来るからね、いま天津じゃあちこちでその準備中だよ。ホテルも作らなくちゃいけないし、最近は地下鉄が開通したんだ。そうなんだよ、ここ数年は景気がいいからね、古い建物は壊して再開発の真っ最中だよ。伊勢丹は高過ぎてオレらは滅多にいかないね。それでも景気のいい連中や外国人で混雑しているよ」南京路に面した天津伊勢丹は高級ブランド品を買う富裕層たちでごったがえしている。日本とは違って地下食品売場というものはなく、中二階が食品売場とレストランになっていて面白い。日式焼鰻魚飯(鰻丼)を食べてみるがけっこういける。とはいえタレがちょっと勘違いしている気がするが、まあこれもご愛嬌、何しろ私たちがふだんスーパーで買っている蒲焼だって中国産なのだ。


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母は午前中にあちこち歩き回って午後はホテルで休息するというパターンなので、今日もいったんホテルに戻ってから私は独りで街を散策することにした。日本で探し出した戦前の天津市内地図のコピーを片手に、母が通っていた国民小学校や居住地域を下見に行く。昨夜、庶民で賑わっていた露地のどん詰まりに中山公園がある。ここを抜けて反対側に出ると市場に出くわす。地図に寄ればどうもこの界隈に日本人が数多く住んでいた旧住宅が残っているらしい。外国人など滅多に来ないであろう市場はごみごみして汚くて臭い。しかしちっとも嫌な気がしない。ああ中国だなあ、と思う。色とりどりの野菜、卵、魚介類、量り売りの肉屋では豚の半身がいくつもぶら下がっている。あたりをつけて一本の露地に入り込むと、いかにも古い建物群が現われた。煉瓦造りの長屋形式の家々が連なっている。かなりの風雪に耐えてきたような古びた建物をよく見ると、たしかに戦前ふうの一種モダンな意匠があちこちに施されている。たぶんこれらが旧日本人住宅街なんだろう。いまでは庶民が暮していて生活の匂いが充満している。家の前の共同露地に日に焼けた婆さんがぼんやりと座っている。家の中から孫らしき幼児が駆け出してきて、婆さんは「危ないから気をつけなさい」と一声かけて目を細めている。中国人を日本人に置き換えればそのまま戦前の光景になるのだろう。


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かつて国民小学校があったとおぼしきあたりには立派な中学校が建てられていた。たぶん戦前に日本が造った国民小学校を戦後はそのまま中国が学校として使用し、そのうち老朽化が進んだので建て直したのだろう。さきほどの旧日本人住宅街からすぐ近くに位置しているのだが、母の記憶によれば「駅を背にして長い通りをまっすぐ歩いて通学していた」というので、どうも母が住んでいたのはさきほどの住宅街ではないらしい。まあきっとあちこちに日本人の住宅があったのだろう。そしてこの場合の駅というのは、私たちが到着した天津駅ではなくそのひとつ先にある天津北駅に間違いない。なぜならこの中学校の脇にある通りを1キロほどまっすぐ歩くと天津北駅に至るからである。さらに母は「駅の近くに大きな公園があって、ある年の冬、日本からアイススケートの選手が来て、氷結した池でスケートのショーがあったのを見物した」というが、天津北駅から歩いて数分のところにいまでも池のある公園がある。母はたぶん駅の裏あたりの何処かに住んでいたと思われる。


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だいたい見当がついたのでこんどは当てもなく歩き出す。ギラギラと陽が照りつけてうだるような暑さ。汗がじわじさと吹き出してきた。適当に歩いていると目の前に大きなスーパーマーケットが現われた。ひと休みしようと中に入ってみたら、ここは日本でもお馴染みの郊外型の大型量販店。そうかあ、ついに中国でもこういう店ができたのか。二階にあがると広大なフロアに食料品が陳列されていて、買い物のカートを押す家族連れで賑わっている。街の小売部(商店)でミネラルウォーターを一本買うとだいたい2元だが、ここでは特売で1.3元で売られている。まとめ買いするとお得なので思わず買ってしまいそうになるが、よく考えると私はただの旅行者なのであった。3階にあがるとここは衣料品や生活用品の売場。ダイエーやイトーヨーカドーの衣料品売場とおんなじだあ。


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夜、母を連れて天津市内の繁華街、濱江道購物広場へ出かける。広場といっても南京路と和平路を結んで延々と続く大繁華街のこと。ホテル附近の静かな光景とはぜんぜん違うネオンギラギラ、近代的デパートや洋服店、食堂、ファストフードが立ち並び、雑貨屋が密集しているあたりは吉祥寺を思わせる雰囲気。天津に来たら狗不理包子(Gou bu li bao zi)を食べねばならぬ。狗不理は中国でも有名な包子の名店、天津といえば包子、包子といえば狗不理なのである。18年前に訪れたときはむかし乍らの古い店内で、蒸籠から湯気を立てていた包子を貪り食ったことを思い出す。しかしいまではかなり儲けて手広く店鋪展開をしているらしく、フリの客は殺風景なファストフード的なフロアに通されるようだ。二階には雰囲気のある綺麗なフロアがあるらしいが、そこに通されるのは団体客、観光客なのであろう。まあ贅沢はいわずに名物の包子セットを買って食べる。殺風景ではあったが18年ぶりの狗不理包子はやっぱり美味しかった。


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