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松子ふたたび

「スイスイスーダラダッタと、あんな生き方ができたらそりゃ楽ですヨ」
真面目一徹な性格だという植木等も自作を振り返って述べている。人生はそう簡単にスイスイスーダラダッタとはいかない。むしろ「ひとつ山越しゃホンダララッタホイホイ、もひとつ山越しゃホンダララッタホイホイ」なのである。ナンダカワカンナイって? いいからわかりなさい。

時間が取れたので漸く『嫌われ松子の一生』を観に行ってきた。そして淀川長治センセイに敬意を表してイイことばかり書く。
原作をどうやって映像化しているのか興味津々だったが、なんともはや見応えのある映画になっていて満足。原作に忠実にすると深刻さだけが目立つので、あちこちにギャグをちりばめていて、これがかなり救いになっている。ミュージカル仕立てという点も、丁寧かつクールでポップで演歌調で実に良い。CGを駆使してしかも違和感がないところが良い。転落していく松子の一生を実に幅の広い演技で表現しきった中谷美紀が凄かった。熱演。

いかにも若者向けのような映画だが、これは人生の先輩であるオトウサンやオカアサン、オジイサン、オバアサンにも観てもらいたい。松子が不幸だったのは不器用だったからだ。すべてのことに対して全身全霊を集中する性分、つまり適当に手を抜けない性分だったからだ。良い子でなければならない、と自分で自分の生き方を決めてしまった。そのために全力投球したのに人生はいつも不公平。子どもは大きくなっていく過程で人生の不公平さ、不条理さを体感していく。そして自分のなかで葛藤し乍らいつしかおとなになる。松子はただ、それが要所要所で自己消化できなかっただけだ。いつも後になってちょっとだけズレていたことに気づく。この映画を観て面白がっていた若い娘さんたちは、この映画から何を感じとったのだろう。松子はあなたであり、あなたは松子である、という惹句は実に奥が深いのだ。

ラストシーンのなんと哀しいことよ。思わず涙が滲んでしまう。

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コメント

お互い無事鑑賞致しましたね。
音楽もよかったです、はっぴーうぇんずでぃ♪なんかは
未だにアタマから離れません。
泣きに行くつもりはこれっぽっちもなかったのに、えらいメに遭いましたが(苦笑)、よい映画でしたー。

千曲川様

原作と映画がどちらも良い(原作に忠実であるという意味ではない)というのはめったにないです。中島哲也監督、大傑作『下妻物語』(2004)に続くヒットでしたね。

これから観に行きたいのは寺島しのぶ主演の『やわらかい生活』、楽しみなのは市川崑監督のリニューアル版『犬神家の一族』(来年公開予定)です。犬神フリークとしては今から楽しみ。

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