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お前のことは忘れていないよバッハ

古川日出男『ルート350』読む。

いつものように残業を終えてヘロヘロになりつつ駅に向かう。疲れているんだからさっさと帰ればいいのに、駅のなかにある書店にふらふらと吸い込まれる。これはもう「書店があったらとりあえず入ってみる病」という不治の病。平積みになっている本の表紙を眺めているとこの本が目に入った。21世紀を代表するであろう傑作『ベルカ、吠えないのか?』(犬好きの人は必読)の著者初の短編集。目次を眺めて一発で気に入って購入。何が気に入ったかというと「お前のことは忘れていないよバッハ」という短篇の題名だ。タイトルのつけ方が秀逸。絶対に面白いと確信して電車に乗る。

少女が語る奇妙な物語。彼女の父(父A)と友だちハナの母(母B)が手に手をとって失踪してしまう。次に残されたハナの父(父B)のもとに、彼女とハナの共通の友だちマユの母(母C)が駆け落ちしてくる。そして夫に逃げられた彼女の母(母A)は妻に逃げられたマユの父(父C)の家に家出してしまう。やがてからっぽになってしまった彼女の家に、友だちのハナとマユが入り浸るようになり、三人の奇妙な共同生活が始まった。そしてバッハというのは彼女が飼っていたハムスターの名前。バッハもゲージから逃走して家の中を自由に走り回る。三人の少女はからっぽの家をバッハの保護区に認定する。バッハが目撃された場所にシリア、中国、パプアニューギニア、、、世界の地名をつけた。そしてバッハは一日のうちに地球を駆け巡る。

虚構の幸福に充たされた家に、虚構の家族を持つ少女が住み、バッハと名付けられたハムスターが虚構の地球を駆け巡る。なんというイマジネーション! なんという虚構! 短篇小説であり乍ら壮大な物語に結実していく。畏るべし、古川日出男。

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コメント

鈴々舎馬風、とうとう会長に!
26日の協会理事会で正式に選出との事。
大丈夫かね?カエル。

そうそう、それを連絡しようと思っていたのですよ。
朝刊の記事で知りました。さすが毎日新聞、粋だネ。
でもなんでこの記事のコメントが馬風なんだ?

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