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2006年6月

お前のことは忘れていないよバッハ

古川日出男『ルート350』読む。

いつものように残業を終えてヘロヘロになりつつ駅に向かう。疲れているんだからさっさと帰ればいいのに、駅のなかにある書店にふらふらと吸い込まれる。これはもう「書店があったらとりあえず入ってみる病」という不治の病。平積みになっている本の表紙を眺めているとこの本が目に入った。21世紀を代表するであろう傑作『ベルカ、吠えないのか?』(犬好きの人は必読)の著者初の短編集。目次を眺めて一発で気に入って購入。何が気に入ったかというと「お前のことは忘れていないよバッハ」という短篇の題名だ。タイトルのつけ方が秀逸。絶対に面白いと確信して電車に乗る。

少女が語る奇妙な物語。彼女の父(父A)と友だちハナの母(母B)が手に手をとって失踪してしまう。次に残されたハナの父(父B)のもとに、彼女とハナの共通の友だちマユの母(母C)が駆け落ちしてくる。そして夫に逃げられた彼女の母(母A)は妻に逃げられたマユの父(父C)の家に家出してしまう。やがてからっぽになってしまった彼女の家に、友だちのハナとマユが入り浸るようになり、三人の奇妙な共同生活が始まった。そしてバッハというのは彼女が飼っていたハムスターの名前。バッハもゲージから逃走して家の中を自由に走り回る。三人の少女はからっぽの家をバッハの保護区に認定する。バッハが目撃された場所にシリア、中国、パプアニューギニア、、、世界の地名をつけた。そしてバッハは一日のうちに地球を駆け巡る。

虚構の幸福に充たされた家に、虚構の家族を持つ少女が住み、バッハと名付けられたハムスターが虚構の地球を駆け巡る。なんというイマジネーション! なんという虚構! 短篇小説であり乍ら壮大な物語に結実していく。畏るべし、古川日出男。

あと一歩で映画館

松子ブームは続く。

Iさん曰く「『嫌われ松子の一生』観ましたよ。監督の演出がとても巧かったです」
Y姐曰く「ミュージカル仕立てで綺麗で面白くて哀しくて、、、良かったわよお」
N君曰く「原作読みました。いやあ一晩で読んでしまいましたあ。映画も観に行きます」

私も観たいぞ。

絲山秋子『イッツ・オンリー・トーク』読む。

女、三十五歳、元新聞記者。海外支局勤務のあと、精神を病み退職。職業、絵描き〔ただし無職同然)、大田区蒲田在住。彼女の身体と心を通り過ぎたりいじったりするのはヒモ稼業の従兄、EDの都議会議員、礼儀正しい痴漢、鬱病のヤクザ、、、なんとなく読んでいるうちに、なんとなく心にしみてくるモノがある。ムダのない文章、おみごと。

最近映画が公開されて主演は寺島しのぶ。なるほどのキャスティング。うーん、なるほどこの女優しかいない。

映画館、行きたいなあ、、、

本棚に柳美里

ポカリスエットのペットボトルを持ち込み、半身浴をし乍ら古今亭志ん朝の『愛宕山』を聴く。
汗が出るそばから水分補給をするのでどんどん汗が出る。
名人藝が耳に心地よい。

めったに人に会わない私だがたまには会うこともある。

先日、同世代の女性たちと都内某所で雑談。
話題は、若い女性の本棚にありそうな作家の本ってなんだろう?
名前が挙がった作家は、江國香織、柳美里、村上春樹、辻仁成、リリー・フランキー、角田光代、吉本ばなな、恩田陸、小野不由美、綿矢りさ、、
「本棚に柳美里の本がずらっと並んでいたら引くよね」「 江國香織は高飛車だよ」「吉本ばななは自意識過剰」、、、手厳しい言葉が並ぶ。
ひさびさに名前を聞いたのが椎名桜子。「バブル経済の象徴として作り上げられた“スター”だったよね」

帰りの電車のなかでぼんやりと考えていたが、赤坂真理、川上弘美、唯川恵、絲山秋子、山田詠美なんかも、若い女性の本棚にありそうな気がする。

駅に降り立ったら土砂降りの雨はほとんど止んでいた。

ダーウィンの仇をカイザースラウテルンで討つ

順当にいけば楽勝、とはゆかずともまあ勝利は鉄板と思っていたが、観ているうちにこりゃヤバいかも、と思い始めた。しょぼい先制ゴールで1点リードで迎えた後半、オージーたちがまあ走ること走ること。守りを固めて逃げきりを図る日本に対し、イケイケ突貫攻撃でゴールを狙うオージーたち。ガッツンガッツンとゴールめがけてシュートを放つ。

日本は逃げ切れるかなあ、と思って観ているうちに同点シュートを決められた。ドイツから悲鳴が聴こえてきそうな雰囲気。後は推して知るべし、逆転、追加点をたてつづけに決められてホイッスル。NHKBSの解説者が「オーストラリアは(予選で)落ちてゆくでしょうねえ」などと明言したあとだけになんともはや。残り6分で3失点だからなあ。

ゴールをきめるたびに腕を振り上げて喜ぶヒディンク監督と、ゴールを決められるたびに暗さが増していくジーコ監督。明暗くっきり。これはこれで面白い。韓国のスポーツメディアが大喜びしているだろうなあ。なにしろヒディンク監督は、前回の日韓共済ワールドカップで韓国をベスト4に導いた、いわば韓国の英雄だ。その英雄が、こんどは日本をこれ以上ないくらい叩きのめしたのだから、そりゃあもう大喜びであろう。なにしろ韓国ではこの試合の視聴率が50%超というから凄い。

ま、私はドイツサポーターだからいいんだけどネ(苦笑)

『嫌われ松子の一生』

いま映画館を満員にしている話題作。映画を観に行く時間も気力もないのでとりあえず原作を読んでみたら、これがまたなんとも凄い小説。読み始めたら一気通読、途中で止めることができないくらいの出来栄だ。吉村昭の名作『漂流』以来かもしれない。

CMでご存じの方も多いだろうが、国立大学卒業の才媛が、中学校の教師→教え子と上司に裏切られ辞職→トルコ嬢に転身して大成功→愛人を殺して刑務所へ→出所後、銀座の美容室で売れっ子になる→ヤクザな男と同棲→覚醒剤使用により逮捕→また男に逃げられる→廃人同然で中年になる、、、でも、、、往年の大映ドラマを思わせるようなジェットコースター的展開。

読んでいくうちにだんだん涙が滲んでくる。人生とはなんとドラマチックでミステリアスなものか、ということをたっぷり考えさせてくれる。原作を超えた映画というのはなかなかないので、映画を観るときは別物というスタンスで臨むべし。映画は観ていないけどミュージカル仕立てらしい。ますます映画を観たくなってきた。

外灯の下の青春

ようやく仕事が一段落ついたのだが、相変わらず八時過ぎまで職場にいる。本来の仕事量が多いからしかたないのだな。とはいえ、いままでは臨時の仕事と始めての仕事が、それこそ集中豪雨のように降ってきたからへとへとになっていたのである。いまは本来の仕事だからそれほど精神的なプレッシャーは感じない。

M嬢と昼餉をとっていたら中小企業論のB教授がやってきて、オンラインデータベースの利用についていろいろと質問して去っていった。常に前向きで研究と教育を両立している姿勢は見習うべきものがある。「こういう先生ばかりだったら、図書館の仕事ももっと楽なんですよねえ、、、」アイス珈琲を啜り乍らM嬢、ぼやく。

八時過ぎに経理課に書類を出しに教室棟の脇をぶらぶら歩いていたら、外灯の下で学生たちが真剣な、それこそドラマのような問答をしていた。「ん? なんだなんだ、青春か?」などと思っていたら、何のことはない演劇部の連中が芝居の稽古をしていただけだった。紛らわしいことするんじゃない。ま、これも青春か。

電車のなかで『嫌われ松子の一生』の上巻を読み始めたら止まらなくなる。慌てて下車駅の近くの本屋に飛び込んで下巻を購い帰宅。

散歩と古本と立ち呑み

昨日はひさしぶりに神田神保町の書店街を散策し、近藤久義『天津を愛して百年』、楊大辛編著『天津的九国租界』『城市記憶・老地図 天津1936』、『天津市地図冊』購う。キッチン南海にてカツカレー。探していた『天津教育史』『日本侵華教育全史』は在庫無し。図書館で探してみよう。

九段下から東西線で阿佐ヶ谷へ出て東京オプチカルにて眼鏡受け取り。オリジナルフレームのセンスの良さ、店員の対応には定評のあるところ。最近流行りの細いフレームを勧められたので戯れにかけてみる。店員は「似合いますよ」というが、ますますアヤシイ風貌になる。

阿佐ヶ谷から荻窪まで歩き駅前をブラブラしていると小さな立ち呑み屋発見。入ってみたらなんとここはつまみがイカづくし。イカ刺身、イカ塩辛、ゲソ焼き、イカ納豆、、、イカ刺身と珍味わたあえを肴にホッピーを呑む。うーん、美味。亡くなってしまったHさんを連れてきたかったなあ。良い心持ちで電車に乗り込みフラフラしながら帰宅。

今日は今日で市立図書館に行ったら臨時休館だったのでがっくり。予定変更して下丸子界隈の古書店を散策し、根本敬『電気菩薩』、『荒木経惟・末井昭の複写「写真時代」』、朽木寒三『馬賊天鬼将軍伝(上・下)』、悠玄亭玉介『幇間の遺言』、猪瀬直樹『日本凡人伝・二度目の仕事』、中村征夫『全・東京湾』、櫻田純『なるほど!鉄道雑学100番勝負』購う。意外と趣味の良い古書店がある街だ。

アカルイミライ

ようやく仕事が一段落していつもより早めに退勤、といっても七時過ぎだが。帰途古本屋に寄って大道珠代『しょっぱいドライブ』など購う。

この頃からなんだか脚に違和感を覚えていたが、駅の階段を登るときに膝がガクガクしているのに気づいた。今日も一日あっちこっちと駆け回っていたせいかもしらんが、そんなに酷使したっけかなあ? 家までの道のりがけっこうきつかった。歳のせいかしらん、トホホ。

親友よりメール来。第二子懐妊との知らせに喜ぶ。長男に続いてこんど生まれてくる子も、赤ん坊の頃から手なずけておかねば。将来、行き場がなくなったら親友宅の庭の隅っこに住わせてもらう約束なので、子どもたちに愛される爺さんになっておく必要があるのだ(笑)

「おじいちゃん、ご飯だよ、早くおいでよ」
「いつもすまないのお、、、」
「それは言わない約束でしょ(笑)」

ちょっと楽しみ。

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