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海外より遠い首都

ピエール・アスキ『中国の血』(文藝春秋)を読む。

河南省でHIV患者が多発しているということは何かの記事で読んで知っていた。しかしこれほど猖獗をきわめており、なおかつこれが省政府による“犯罪”であったとは知らなかった。頁を繰るにつれてなんとも暗い気持になっていく。血を売ってお金を儲けよう!という省政府の呼びかけで、貧しい農民たちは何度も何度も注射針を腕に突き立てた。衛生管理も汚染された血液の管理もずさんのひとこと。その結果、数百万とも言われる農民がHIVウィルスに感染し、なすすべもなく死に追いやられてゆく。あろうことか河南省政府もこの事実をまったく認めない。

下流社会などという言葉が流行っているが、現代中国の貧富の格差に比べたら、なんともはや可愛げのある話だ。富める者は果てしもなく金持ちで、貧しき者はそれこそ極貧に喘いでいる。昨年の今ごろ、上海で勃発した反日デモで大騒ぎしていた連中の多くは、みなきれいな格好をして血色の良さそうな若者たちだった。しかしあのような若者たちは、都市部に住んでいるというだけで、それこそ中国社会では上流に属するといえるのだ。ビジネスチャンスもあり、情報も豊富で、海外に出てゆける機会にも恵まれている。しかし内陸部の農村に暮す人びとは、いくら貧しい生活をしていても都市部に移住する権利を与えられていない。インターネットすら国家で検閲する情報統制国家に暮すかれらは、おそらく上海のデモというニュースすらほとんど知らないはずだ。

いま、北京オリンピックを目前にした中国は、ちょうどバブル経済のまっただなかにある。しかしオリンピックの後、まずまちがいなくバブルは崩壊する。そのとき中国はどうなるか? まさか中国が崩壊するなんてことはないだろうが、ひどい混乱に陥ることはまちがいないと思う。

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