2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

« 前衛とは、常に前衛であり続けること | トップページ | 寒夜のマッコリ »

図書館日和

 職場のエアコンは古くて調子が悪い。おまけに事務室の構造のせいで冷暖房がうまく効かず、暖かいところは暖かく、寒いところは寒い。寒がりの課長はひっきりなしに温度を上げたり風量を調節したりしている。そして課長が席をはずすとすかさず若い子たちが温度を下げに走る。暫くすると寒がりの子がそっと温度を上げて去ってゆく。よくある光景。

 今日は土曜日。朝から気持良い秋晴れ、晩秋の朝は青空で染まり、赤く染まった枯葉が風にハラハラと散っている。

 隔週交替出勤の今日は課長や寒がりの子はお休みで、図書受入〜整理事務室には係長と私しかいない。閲覧係はカウンターや書架で作業についている。出勤人数が少ないうえに配架する本が山のようにあり、カウンター当番のオバチャンを残して、全員が一時間ほどかけて配架を済ませ、一息ついてお茶など啜り机に座って仕事にとりかかる。係長も私も無言。暫く請求書を処理しているうちに、後ろの席の係長がボソッと呟いた。

「やっぱり、エアコンつけないと、静かねえ」

 なんか静かだなあ、と思っていたけど、そうかエアコンがついていなかったのか。人もいないし電話もかかってこないし、朝の光がそっと射し込む事務室は静かで、いつもはせわしないエアコンもひっそりと息をひそめている。

「ウチのエアコン、ほんとポンコツですよねえ、取替えてくれないかなあ」

 図書館で冷暖房に極端に無頓着なのが係長と私。ふたりとも寒い国の生まれで田舎育ちというせいもあるのだろうが、とにかく暑いだの寒いだのというのをあまり気にしない。そしてこのふたりしか事務室にいない出勤日は、当然のようにエアコンは稼動することもなく常に静かなのである。冬はこの調子だし、夏は扇風機を回すだけで仕事をしている。閲覧係の連中が閲覧事務室からここに入ってくるとみな「寒くないですか?」「ここ暑いですよね?」と言うが、係長と私は「?」という顔をするだけ。

 クールビズだのウォームビズだのと貧乏たらしい風潮である。エコロジーだの地球温暖化防止だの、理想だけはごりっぱだが、その実全国のオフィスではエアコンの温度を上げたり下げたりしている。

「私たちは“歩くウォームビズ”ですかね(笑)」
「フフフ、あたしはただ寒くないだけなのよネ」

 うるさい課長も怖いオバサンもいない土曜日の事務室は、これぞ図書館事務室という雰囲気。忙しくて眉間に皺を寄せている係長も、仕事に追いまくられる私も、この土曜日だけはのびのびと仕事に没頭できる貴重な時間なのである。

 土曜日だというのに夕方まで残っている私の机に蜜柑を置き、係長は「食べてネ(笑)」とひとこと言って帰っていった。今日もとうとう八時過ぎに退勤。入り口に施錠して図書館を出ると、外はすっかり暗くなって赤く染まった枯葉も闇に溶け込んで見えなくなっていた。

DSC00595

« 前衛とは、常に前衛であり続けること | トップページ | 寒夜のマッコリ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/155421/7332493

この記事へのトラックバック一覧です: 図書館日和:

« 前衛とは、常に前衛であり続けること | トップページ | 寒夜のマッコリ »